アーユルヴェーダのなめ剤作り

アーユルヴェーダのお薬の取り方はいろいろな方法がありますが、その中の一つに「なめ剤」というものがあります。ジャムのようなソフトキャンディーのような、口の中で溶かしながらじんわりとスパイスを身体に取り入れる方法です。

私が学んでいる日本アーユルヴェーダスクールでは、2年生(応用1クラス)になると製薬学の授業と実習があり、その中でなめ剤や薬用ギー作りを学びます。お薬というと苦くて美味しくないものが多いですが、アーユルヴェーダのお薬は美味しいものも多く、特になめ剤は美味しくて健康にも良いので家族みんなのお気に入りです。

取り入れるタイミングとしては空腹時なので、朝のルーティーン(歯磨きや舌磨き、お水を飲む、、、などなど)を終えた後、我が家では一人ひとり体調に合わせたなめ剤をティースプーン1杯ぺろり。5歳になったばかりの子どもも楽しみにしている時間です。

なめ剤に入っているスパイスや薬草は、一つ一つ異なりますが、どんななめ剤も基本的には消化力をぐっと高めて、必要な薬草を身体に取り入れやすくするものが多いです。甘く、辛く、ものによっては酸っかったり苦みもあるなめ剤。購入していた時は何の気なしにぺろりと舐めていましたが、作るとなると実はものすごい労力がかかり、1日がかりの作業となる場合もあります。

沢山のホールスパイスをギュイーーンとパウダーにする作業は子どもも手伝ってくれ、ぐつぐつぐつぐつ、煮ること混ぜること約7時間。とても美味しい冬瓜なめ剤が完成しました。冬瓜なめ剤は、冬瓜の良い作用(肌や目に良い・脳にも良い・アンチエイジング・婦人科系トラブルにも良い)をピッタを上げ過ぎずに(イライラさせたり、食欲過剰になったり、肌荒れさせたりすることなく)取り入れることができます。肌が敏感なアンチエイジングも気になる、イライラしたくない女性におすすめ、ということですね。

今回挑戦したのは、冬瓜のなめ剤。スクールで実習した際と同じく古典に沿った作り方をしましたが、実習時は火を通し過ぎて美味しいけれど硬い・・・という結果になったので、今回は火加減と加熱時間に注意。冬瓜はハリダーサ・ファームで秋に収穫し、大切になめ剤用に保管しておいたものを使います。

アーユルヴェーダのお薬は作っている間の時間に、飲んでもらう人のことを思い、その方が良くなりますように・・・という気持ちを込めて作るとそれが一番効果的!と先生が仰っていました。本当にその通りなんだろうと思います。お料理もトリートメントもお薬づくりも、材料に感謝しつつ、相手を思い、手を動かすこと。

意外とぐつぐつしている時間が楽しく、家族やクライアントさんのことを思い浮かべながら、次は何のなめ剤を誰に作ろうかな・・・と考え中です。